2026.09.02
アルミニウムとは?種類・特徴・用途・選び方をわかりやすく解説
はじめに
機械部品や設備、製品の材料を選ぶ際に、「軽い材料にしたい」「錆びにくい金属を使いたい」と考え、アルミニウムを検討することがあります。
しかし、一口に「アルミ」といっても、実はさまざまな種類があります。
図面や材料表を見ると、
- A1050
- A2017
- A5052
- A6061
- A6063
- A7075
など、多くの材料記号が並んでいます。
「アルミは全部同じではないの?」
「A5052とA6061は何が違うの?」
「強度が必要な場合はどのアルミを選べばいいの?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
アルミニウムは、軽さ・耐食性・加工性に優れた金属ですが、合金の種類によって強度や加工性、耐食性が大きく異なります。
この記事では、アルミニウムの基本的な特徴から、代表的なアルミニウム合金の種類、用途、材料選びのポイントまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
アルミニウムとは?
アルミニウムは、鉄とは異なる「非鉄金属」の一種です。
最大の特徴は、鉄や鋼材と比較して非常に軽いことです。
一般的な鉄鋼材料の比重が約7.8であるのに対し、アルミニウムの比重は約2.7です。
つまり、同じ大きさで比較すると、アルミニウムは鉄のおよそ3分の1程度の重さになります。
この軽さを活かして、航空機、自動車、鉄道車両、産業機械、精密機器、建築材料など、幅広い分野で使用されています。
また、アルミニウムは表面に薄い酸化皮膜をつくるため、比較的錆びにくいという特徴もあります。
ただし、アルミニウムは鉄のように「硬くて強い材料」というわけではありません。
そのため、用途に応じてマグネシウム、銅、シリコン、亜鉛などを加えた「アルミニウム合金」が多く使用されています。
アルミニウムの主な特徴
1.非常に軽い
アルミニウム最大のメリットは、その軽さです。
製品を軽量化することで、
- 機械の動きを軽くできる
- 運搬しやすくなる
- 自動車などの燃費向上につながる
- 人が扱いやすくなる
といったメリットがあります。
特に、重量をできるだけ減らしたい機械部品や移動する製品では、アルミニウムが大きな力を発揮します。
2.錆びにくい
アルミニウムは、表面に酸化皮膜をつくることで内部を保護する性質があります。
そのため、一般的な鉄鋼材料と比較すると耐食性に優れています。
屋外設備や水分のある環境、湿気の多い場所などでは、アルミニウムが選ばれることがあります。
さらにアルマイト処理を行うことで、耐食性や表面硬度、外観性を向上させることもできます。
3.加工しやすい
アルミニウムは、鋼材と比較して比較的やわらかく、切削加工しやすい材料です。
フライス加工や旋盤加工、穴あけ加工など、さまざまな加工方法に対応できます。
また、材料によっては曲げ加工やプレス加工にも適しています。
ただし、アルミニウムの種類によって加工性は異なるため、製作する形状に合わせた材料選びが重要です。
アルミニウムにはどんな種類がある?
アルミニウム合金は、添加される元素によって特徴が異なります。
ここでは、製造業や機械加工でよく使用される代表的な材料をご紹介します。
A1050とは?純度の高いアルミニウム
A1050は、純度の高いアルミニウムです。
非常にやわらかく、加工性や耐食性に優れています。
一方で、強度はそれほど高くありません。
そのため、
- 電気部品
- 装飾品
- 熱交換器
- 曲げ加工が必要な部品
などに使用されます。
強度よりも、加工性や耐食性を重視する場合に適した材料です。
A5052とは?もっとも代表的なアルミ合金の一つ
A5052は、マグネシウムを加えたアルミニウム合金です。
アルミニウム合金の中でも非常に流通量が多く、幅広い用途で使用されています。
A5052の特徴
- 耐食性に優れている
- 曲げ加工しやすい
- 板金加工に適している
- 溶接性が比較的良い
- 強度と価格のバランスが良い
そのため、
- 機械カバー
- 筐体
- 設備部品
- 車両部品
- 建築部材
- 船舶関係の部品
など、さまざまな製品に使用されています。
「アルミの板材を使用したいが、どの材料を選べばいいかわからない」という場合には、A5052が候補になることが多い材料です。
A2017とは?強度と切削加工性に優れたジュラルミン
A2017は、銅を加えた高強度アルミニウム合金です。
「ジュラルミン」と呼ばれる材料の代表的な一つとして知られています。
A2017の特徴
- 強度が高い
- 切削加工しやすい
- 機械部品に適している
一方で、A5052などと比較すると耐食性には注意が必要です。
そのため、
- 精密機械部品
- 自動車部品
- 航空機関連部品
- 高い強度が必要な部品
などに使用されます。
切削加工を中心とした機械部品を製作する場合には、選択肢の一つになります。
A6061とは?強度と耐食性のバランスに優れたアルミ合金
A6061は、マグネシウムとシリコンを加えたアルミニウム合金です。
強度と耐食性のバランスが良く、熱処理によって強度を高めることもできます。
代表的な用途には、
- 機械部品
- 構造部材
- 自動車部品
- 自転車部品
- 治具
などがあります。
「ある程度の強度が必要で、さらに軽量化もしたい」という場合に適した材料です。
A6063とは?アルミ形材に多く使われる材料
A6063も、マグネシウムとシリコンを含むアルミニウム合金です。
特に押出加工性に優れていることが大きな特徴です。
そのため、
- アルミフレーム
- サッシ
- パイプ
- アングル
- 各種押出形材
などに多く使用されています。
工場設備で使用されるアルミフレームなども、A6063系の材料が使われることがあります。
A7075とは?非常に高い強度を持つ超々ジュラルミン
A7075は、アルミニウム合金の中でも非常に高い強度を持つ材料です。
「超々ジュラルミン」と呼ばれることもあります。
A7075の特徴
- 非常に高い強度
- 軽量
- 切削加工に対応しやすい
一方で、耐食性や溶接性については、A5052などとは異なる特徴を持つため、使用環境を考慮した材料選定が必要です。
主に、
- 航空機部品
- 高強度が必要な機械部品
- 精密治具
- スポーツ用品
- 軽量化が求められる構造部品
などに使用されます。
「軽く、できるだけ強い材料が必要」という場合に候補となるアルミニウム合金です。
アルミニウムの種類を比較
| 材料 | 強度 | 耐食性 | 主な特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| A1050 | 低い | 非常に高い | 加工しやすい | 装飾品・電気部品 |
| A5052 | 中程度 | 高い | バランスが良い | カバー・筐体・板金部品 |
| A2017 | 高い | やや低い | 切削加工性が良い | 機械部品・精密部品 |
| A6061 | 高い | 良い | 強度と耐食性のバランス | 機械部品・構造材 |
| A6063 | 中程度 | 高い | 押出加工に適している | フレーム・形材 |
| A7075 | 非常に高い | 注意が必要 | 軽量・高強度 | 治具・高強度部品 |
アルミニウムを選ぶときのポイント
アルミニウムを選ぶ際には、「一番強い材料」を選べばよいわけではありません。
次のような条件を確認することが重要です。
軽量化を優先したい
→ アルミニウム全般が候補
曲げ加工や板金加工をしたい
→ A5052
切削加工で機械部品を製作したい
→ A2017やA6061など
アルミフレームや形材を使用したい
→ A6063
非常に高い強度が必要
→ A7075
このように、製品の用途や加工方法、使用環境によって最適な材料は変わります。
北山スチールでは材料選定からご相談いただけます
「鉄では重すぎるのでアルミに変更したい」
「A5052とA6061の違いがわからない」
「強度を保ちながら軽量化したい」
「加工しやすく、コストを抑えられる材料を選びたい」
このようなお悩みは、材料選定の段階で解決できる場合があります。
アルミニウムは種類によって特徴が大きく異なるため、材料の価格だけでなく、加工方法や使用環境、必要な強度まで考慮することが大切です。
北山スチールでは、お客様の用途や製品の目的に合わせ、材料選定から加工方法までご相談いただけます。
まとめ
アルミニウムは、軽量で錆びにくく、加工しやすいという優れた特徴を持つ金属です。
しかし、「アルミ」と一括りにして選ぶのではなく、それぞれの材料の特徴を理解することが重要です。
例えば、
- 加工性と耐食性を重視するならA5052
- 切削加工と強度を重視するならA2017
- 強度と耐食性のバランスを求めるならA6061
- 押出形材にはA6063
- 軽量かつ非常に高い強度が必要ならA7075
というように、用途によって適した材料は異なります。
材料選びを適切に行うことで、製品の品質向上だけでなく、加工コストや材料コストの削減につながる場合もあります。
北山スチールでは、アルミニウムをはじめ、SS400、S45C、S50C、SCM、SKD11など、さまざまな金属材料についてご相談いただけます。
「どの材料を選べばよいかわからない」という場合も、ぜひお気軽にご相談ください。











